True path

真実一路

この額縁に収められた四字熟語の意味は

「偽りのない真心をもって一筋に進むこと」とある

幼少期の私はなんとなくその意味を理解し始めた時からとてつもない

プレッシャーを感じる呪文のような言葉だった


先の自粛期間、早朝散歩に出かけるのを日課にしてみた

飽きのこないようコースをいろいろと変えて1時間の運動を自分に課した

ある一つのコースを紹介すると

私の住む吉祥寺五日市街道沿いを3ブロックほど南に下ると井の頭通りに出る

そこから井の頭公園に入り新緑のなか日光浴をし野鳥のさえずりを聞く

公園内を歩き家康公がお茶を立て名前の由来となった

「お茶の水」の源流である井戸を横目に過ぎると吉祥寺通りだ

三鷹駅を目指し御殿山通りを右折してしばらく歩くと山本有三記念館が見えてくる

同館は昭和初期に山本有三が大変気に入って購入した洋館で今は公立博物館となっている

とても可愛らしい建物で山本有三の生涯も伺える資料館だ

山本有三はここで『路傍の石』、『米百俵』を執筆したとある

横道にそれたが、そこから三鷹駅に着いて文化会館通りを抜け

中道通りに出て吉祥寺駅に戻る

というコースが一つで、天気がいいと中道通りから西荻窪へ向かう


私にとって山本有三といえば『真実一路』だ

『真実一路』は1935年から1936年まで『主婦之友』誌上で発表された

第5作目の作品という位置付けだ

真実一路という呪文のように私の頭の片隅に離れずあった言葉だが

こんなに近くに住んでた作家から生み出されたものだと知った時は

なんだか嬉しいような親い気がしたのだった

内容はというと真実に生きようとして阻まれる人たちの悩みが作品の核となり

1937年に映画化もされているという事だ

改めて『真実一路』を読み返しこの写真の『真実一路』と母の姿が

ピタリと腑に落ちた瞬間が私にあった


「人間の人生は終わってみなければ、何をやってきたかわからない」


私の母は「いかに生きるべきか」を問い常に実践してきた人なのだと

書き加えておこうと思う







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