Mother and Shakyo Sutra

My precious oneを創作するにあたって「見立て」の考え方、概念は先に述べましたが

写真集の形態にするために2つの大きなトレンドを作っていく必要がありました

そのために参考にした写真集はソフィ・カルのRachel Moniqueです

ソフィ・カルのお母さんの一生がこの本に収まってるのと、亡くなった後に

お母さんと生前行きたがってた南極大陸にソフィ・カル自身が赴き写真撮影を終えて

心の傷を癒すまでの過程を綴った作品です

当初私の作品はRachel Moniqueと似せて写真を貼り付けて作ってましたが、

4年がかりで推敲を重ね「花」と「手紙」というトレンドを構築し常識と構造を変え

現在の形に変化させていきました


ソフィ・カルと言えば、2018年都内3カ所で個展を同時開催したのが記憶に新しいです

伝説の「限局性激痛」を再び開催とあって私も原美術館に行ってきました

この「限局性激痛」はソフィ・カルが1984年に奨学金を得て3ヶ月日本に滞在した際

その時に経験した「不在」「喪失」をモチーフに制作されたものです

「限局性激痛」は2部構成で展示されていました

1部を終え第2部は相手の最も辛い経験を聞くことで、自身の心の傷を少しずつ癒していく

というインスタレーション作品です

興味深かったのは、他力の力を借りて願いを成就するという仏教思想を用いてることです

本来の意味とは違いますが他力本願をモチーフに「限局性激痛」は制作されていたのです

非常に興味深かく新しい発見でした

第1部ではソフィ・カルが写経をした作品が展示されていたのですが

日本でソフィ・カルが仏教思想を学んでいたのだと確信した出来事でした


仏教思想を用いてる日本の作家と言えば宮沢賢治です

宮沢賢治は法華経の影響が文学に現れています

「宇宙エネルギー」「大慈悲の心」が童話に描かれていて「あの世」より

「この世」で「仏国土」の世界を実現するという法華経の教えに基づき

宮沢賢治は創作活動をしていました

実は海外の芸術家にも仏教思想を持った人間がいます

ゴッホです

ゴッホと仏教思想をつなげるものはなにひとつありませんが、宮沢賢治の法華経に

基づいた自然との調和の考えはゴッホとダブって映ります


岡本太郎のゴッホを論じた著書を読んだ時でした

太郎はゴッホのことを夜の画家だと論じています

夜というのは人知られず、貧乏で孤独 そして精神を病み憤っているゴッホの心情が

夜だと語っているものでした

見上げると夜の空には星が見え、その先には無限宇宙が広がっています

本人も気づかず、死ぬまでたった一人で宇宙を支えていたゴッホという

画家の苦しみと精神世界は宮沢賢治と通じるものが実はあるのです

私の中でミッシングリンクが繋がった瞬間でした


母は祖母が亡くなり写経を始めました

写経は四国お遍路巡礼で納経するまで約30年続けられたのでした

母がたった一人で宇宙を支えてる芸術家の類の人間とは考えられません

しかし「My precious one」を創作してるうちに違うとも言い切れないのでした













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