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have a definite lifespan, be it something or an organism

昨今核家族化が進み葬儀も簡略化されています

関東周辺は大きな式場は淘汰され家族葬に特化した会場作りが戦略的に進められています

新しいサービスを考えドライブスルー葬儀なるものが出現した時はびっくりしましたが

しかしこのコロナ渦ではドライブスルー葬儀の需要が増してるのではないでしょうか


仕事にも慣れ始めると有名人や著名な方の葬儀にも駆り出されます

私が葬儀の人材派遣で経験した中で、忘れらない美的調整に富み

手の込んだ演劇的な葬儀がありました

その日の朝仕事先の花屋に到着すると、まず葬儀で使用する花がありませんでした

その代わり枝が所狭しとあっただけです

この枝はローズマリーだったのですが、恥ずかしながら教わるまで分かりませんでした

かすみ草をホルダーに詰め数本に束ねて形を丸く形成し準備が整いました

故人の菩提寺である上野のお寺に到着すると早速荷物を降ろし始めました

小さなお寺ではありましたが威厳のある佇まいが歴史を感じます

予想通り式は本堂で執り行うという事でした

慎重に設置を行う為1日仕事です

祭壇の代わりとなる鉢に植えられたローズマリーは高さを調整し

纏められ直径60cmの縁台に乗せて運ぶことになりました

これは今まで運んだ花材の中で一番重かったと思います

合計2対のローズマリーは円柱に乗せられ本尊仏の正面横に設置し、周りにはかすみ草を飾りつけました



電飾も葬儀では珍しくLEDライトを使用したのですが

安定した蛍光灯ライトは広がりがあり柔らかい光を演出します

暗い本堂で舞台が整いこのLEDライトをつけた瞬間、幻想的な光景が浮かび上がりました

LEDライトの光が一見すると質素なローズマリーとかすみ草が浮かび上がらせ

光のグラデーションが本尊仏の黄金色と空間を支配する漆黒が思いがけない関わり合いを

生み出したのです

私たちは皆息を飲んでしばらく眺めていました

そこに運ばれてきたご遺体を見たとき、初めて著名な方だと知りました

名前は伏せますが、故人の方は長らく癌で闘病されていたのですが

亡くなる1年ほど前から喪主であるご長男と葬儀のお話しをされてたということで

好きなローズマリーを使用するというのは故人の考えのようです

ということはローズマリーを1年かけて育ててたという事にビックリしました

勝手の違うローズマリーの手入れは大変だったと花屋の社長は帰りの車で

語っていました

喪主のご長男と花屋の社長は大学時代の先輩と後輩の仲だそうで

このような準備を行うことができたのだと推測されます

豪華な葬儀は数多くあれど、用意周到に準備されたこの幻想的な祭壇は

後にも先にもこれが初めてです


私が喪主を務める時は自宅葬にしようと考えています

枕花と庭に咲いた花を集めて献花にして送り出してもなんら問題はないでしょう








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