Romeのミサンガ売り


ROMEに着いて1か月がたった頃は

居候先のNUMIDIO QUADRATO駅からCOLOSSEO駅までの道程を遠いとさえ

思えてくるようになった

COLOSSEO駅までは通勤ラッシュを避け、朝早く家を出ることにしている

まずは朝食を摂れる場所を探すのだ

相変わらずコンビニは無い 開いてるのはBARだった

そうそうイタリアといえばBARである

渡航前は贔屓のBARを見つけようと息巻いていたのだったが

ROMEに着いた途端、忙しさにかまけて自宅で入れるカフェの味で満足していた

そもそもBARで一服という習慣があるわけでない、という勝手な言い訳をして

仕事以外で頭を働かせることを避けていた

そんな移民らしい朝の朝食といえば

薄暗い駅中で見つけた自動販売機で1ユーロパンと1ユーロ50セントの 

チョコレートが朝食となっていた

横に新設してる50セントで飲めるカフェマシーンがあれば、もう最高の朝食である


2010年という年は忘れもしない サッカーW杯の年だった

イタリアは欧州予選を1位通過しROMEは最高の盛り上がりを見せていた

コロッセオ周辺で各国サポーター集団が練り歩き、自国の国旗を掲げ国歌を歌いながら

練り歩いてる

そこに敵国のサポーターと遭遇すると道を挟んで威嚇し合うという

日本ではまず見かけない光景が私の心を刺激した

日本も初の決勝トーナメント進出を果たしたとあって

私もどこか浮かれていた

すると片言の日本語で「どこを応援してるの?」

という外国人に思わず警戒心なく答えてしまう

外国人も私の言葉に賛同し、握手を求めてきた

「お守りあげる」と言いながら私の手首にミサンガを巻き付けてくる

拒否する姿勢を見せるが、あれよあれよという速さでミサンガが出来上がってしまった

もう外せない

「お兄さん、2万円」

気付いた時には悪名高いミサンガ詐欺にあっていたのだった

私は「2万円なんてないよ」と値切りに走る

言い争いになった途端、知らない2人が近づいてきてすっかり取り囲まれてしまった

逃れ方を知らない私は値段を下げる作戦に出る

イキリだったミサンガ売りも、次第に冷静になって現実的に話し出す

財布の中の30ユーロを渡すと、足りないと言い出した

こういう時に周りのイタリア人は知らん顔してるし当てにならない

結局50ユーロ払って事なきを得る

私はこの後もROMEで仕事をするわけだし、またどこかで彼らと会うこともあるだろう

悪質なジプシーにチクられて嫌がらせで狙われる日々を過ごすのもごめんだ

50ユーロはショバ代とくれてやるのが一番だった


時が過ぎてまだまだ暑い盛りだったと思う

スペイン階段でデリバリーを終え、そのままルドヴィジ通りへ向かう途中、

私を見て笑って近づいてくる男がいた

よく見ると、あのミサンガ売りの一人だった

やはり私を覚えてて「ミサンガいる?」というジェスチャーをしてくる

その後もROMEで、ありとあらゆる詐欺を経験した私は

笑顔で「No」とはっきり断ると、彼も笑って引き下がった


イタリアの夏は想像以上に暑い

まるでアフリカ大陸にいるようだ

熱風が人体の精気を奪っていく

市外に位置するシルバーナおばさん宅の周りは、どこか大学の敷地内のようで

緑に囲まれ雰囲気も良くて静かだった

通勤の最中、散策すると近くにスーパーを見つけることができた

休みは週1であったが、1週間生き延びた安堵感で泥のように眠り

観光に出かける気にはならなかった


そんな貴重な休みの過ごし方といえば、

スーパーに行って食品の買い出しと洗濯で終わる

イタリアの洗濯機は日本で見かけないタイプのものが多かった

SONYや東芝の文字を見ることはない

シルバーナおばさん宅の洗濯機はドラム式で型も古い

1週間たまった汗まみれのTシャツやら下着を一気に入れて洗濯を始める

その間、スーパーで食材やら歯ブラシ、石鹸などを買いにいく

帰ってきて洗濯物を干すという計画だった

しかし帰ってくるとまだ洗濯中なのだ

スーパーで買ったビールを飲みながら終わるのを待ってると睡魔が襲ってくる

気がつくと2時間くらい昼寝をしてたらしい

洗濯を取り込もうと台所に行くとまだ終わっていない

結局、半日ほど洗濯機は稼働していた

コロッセオで働く日本人に聞いたら皆一様に洗濯は時間がかかると言っていた

しかしさすがに半日はかからないとのことだった


シルバーナおばさんとは お互い干渉しないという暗黙のルールができあがっていた

彼女はよく留守をしていたし、私の休みの日はほとんど外出してたので

顔を合わすことはなかった

ある休みの日、洗濯をしようと洗濯機に近づくと置き手紙があった

手書きで大きく「C」と文字が書かれてた

C という急速コースの設定があり、その C で洗濯しなさい、と言うメッセージが

書かれていた。

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